skip to main | skip to sidebar

20111107

11月12日、山瓶で友部正人!

山と海と、ともべまさと。
友部正人コンサートinやんばる

11月12日(土)東村高江、カフェ山瓶にて
18時オープン、19時スタート
前売り2500円/ 当日3000円
チケット問い合わせ:080-6494-5152
butukarebamagaru@yahoo.co.jp






嘘は命のバロメーターさ
おしゃべりなカラスがそう言った
真実だけじゃ生きられないさ
電線の上で若い詩人がそう言った
見ててやるから早くやれよ
草の上で頭のいい時計がそう言った
ぼくは猿のように毛だらけの手で太い線を
ひこうとしたけど
でもぼくにはできなかった

評論家は白いワイシャツのうでをまくりあげ
1億の文字をならべひとつのことを言おうとしていた
ぼくは日だまりに腰をかけ
淋しさが歌う短い歌を宝石のように聞いていた
大人のように信じようとしてもだめさ
テーブルの上で1億の顔がそう言った
ぼくは子供の声で話そうとしたけど
でもやっぱりできなかった

喰い意地の張った猿がビスケットをかじってる
猿たちの庭に冷たい雨が降る
ぼくは年上の人が好きになり
彼女の木のように冷たいからだを抱いた
窓の外で首の長い犬が吠えていた
ぼくは雨雲の中にくつ下や下着をなげこんだ
結局この世は男と女さ
おしゃべりなカラスがそうつぶやいた
ぼくはその夜雨降る町をあとにした

木々は淋しい手を広げ夜空は白いつめをのばし
公園にはおまわりの影もなく
ぼくは犬のように足を折り曲げ眠った
ぼくはその夜不思議な夢を見た
それはどこか遠くの山の中
流れのない淀みに浮かんで
泡たちが何かぶつぶつつぶやいていた
今の時代に帆をはれば
どっかとんでもないところへ行きそうな
おしゃべりな風がそうつぶやいていた

「おしゃべりなカラス」
作詞、歌、ギターとハーモニカ:友部正人
ピアノ:坂本龍一
アルバム『誰も僕の絵を描けないだろう』より。