Final Environmental Review for Basing MV-22 at MCAS Futenma and Operating in Japan (April 2012).
「MV-22の普天間飛行場配備と日本における運用のための環境レビュー最終版(2012年4月)」
オキボ局>企画部> にあります。http://www.mod.go.jp/rdb/okinawa/07oshirase/kikaku/kankyourebyu.html
Executive Summary
エグゼクティヴ・サマリー(ここは翻訳されて県庁や各所に配布したようです)
Chapter 1 Purpose and Need
第1章:目的と必要性
Chapter 2 Description of Proposed Action and Current Conditions
第2章:提案されている行動と現在の状況について
Chapter 3 MCAS Futenma
第3章:海兵隊普天間飛行場
Chapter 4 Training and Readiness Operations
- Landing Zones
- Mainland Japan (Camp Fuji, MCAS Iwakuni, and Navigation Routes)
- Kadena Air Base
第4章:訓練と即応オペレーション
-着陸帯
-日本本土(キャンプ・フジ、海兵隊岩国基地、飛行経路)
-嘉手納空軍基地
Chapter 5 List of Preparers
第5章:作成者一覧
Chapter 6 References
第6章:参考文献
Chapter 7 Distribution
第7章:配布先
Appendix A: Additional Operations Details for MV-22
添付資料A:MV-22オペレーションの詳細追記
Appendix B:
B1: Exhaust Technical Memoranda
B2: Downwash Technical Memoranda
Appendix C: Aircraft Noise Study for the Basing of MV-22 at Marine Air Station Futenma and Operations at Marine Corps Facilities in Japan
添付資料C:MV-22の普天間飛行場および在日海兵隊施設における運用における航空機の騒音調査 (環境コンサルのWyle社が作成したもの)
Appendix D: Natural Resources Studies for Proposed MV-22 Landing Zones in Okinawa
添付資料D:沖縄におけるMV-22着陸帯案の自然環境調査
で、素人には歯が立たないんだが、歯が立たないなりに、面白いから、みんな読んで見たらいいと思った。抱腹絶倒の記述もあります。
自分の住む地域、関心に限定して、そこが出てくるところを拾い読みするとかでいいと思う。
で、で、高江に関連する北部訓練場の気になるところを読んで気になるとこメモした。
色字:環境レビューに書いてあること。「」内は直接引用。()は出現ページ。
黒字:重要点、発見、着想、悪い想像、など。読み手の備忘録として。
●「MV-22を運用する2個中隊の配備」
→一個中隊で12機を運用する、これが2隊来るということ。単に古いヘリを新機種に入れ替えるだけという日本政府が喧伝するイメージは、深刻なほど間違っている。
→CH-46を運用する部隊の交替なので、他ヘリはもちろん残るし訓練もするということ。
●「訓練と即応」training and readiness operation
-「即応」オペレーションとは、戦いながら訓練を継続するということらしい。
●50のtactical LZs が使用対象(伊江島、中部訓練場、北部訓練場に点在)戦術用着陸帯という名称は、管理用(administrative)との分類から。要するに訓練用ということか。
●Scheduled for Construction LZs (SC LZs) 日本政府が建設中の6カ所の着陸帯=高江の「ヘリパッド」のことは、こう書かれている。
●訓練の種類
-Confined Area Landing (CAL) :制限地着陸訓練(山頂や障害物に囲まれた制限地での訓練のこと)
-Terrain Flight (TERF) :地形に沿って飛ぶ低空飛行訓練、MV-22ではシミュレーター訓練を主とするが、希に北部訓練場で行うことがある。やるときゃやるよってことやね。
●「日本政府は環境評価レポートを準備したが、MV-22なども含め、現在、あるいは提案されている訓練について評価しなかった。 」(ES-3ページ)
→日本はMV-22でアセスしなかったことを強調している点、重要と見た。
●訓練で使用する着陸帯として、レビューしているのは以下(と、日本本土)。
ISTF: Ie Shima Training Facility (伊江島飛行場)MV-22で訓練激化が明らか。
NTA: Northern Training Area (北部訓練場)「ヘリパッド」移設問題に揺れていることなんか知らんぷりしてまとめられている。
CTA: Central Training Area (中部訓練場)聞き慣れないかもだが、ハンセンやシュワブあたりの訓練場をまとめてこのように。かなり熱心に環境調査されている。
●海兵隊は2010年にMV-22用にLZのアセスメントをしている(2-16)
●ボーイング社は2010年に現在あるLZの、MV-22適合について調査を実施している(2-16-17、付表2-19から20)
→この段階でも、日本政府がMV-22配備に知らんぷりしていたのは、悪質じゃないか。
-この表でNTAについて検討されたTactical LZは、 1、3、4、12、12A、13、14、15、17、18、Baseball、FirebaseJonesの12カ所
→現在の22カ所のうち10カ所は検討対象外ってことは、どういうことだ?
-そのうちAdequateの評価が付いたのは、17とBaseballのみ、残りはSubstandard
-複数機の同時運用でyes回答は、17とFirebase Jonesのみ
→ちなみに、このうちSACOによる返還予定域にあるのがFBJ と1と 3
残存するのが、4、12、12A、13、14、15、17、18、Baseball
→ここで確認できるよ! → http://goo.gl/maps/hNRR
→LZ 17、つまり予定地N4を重要視する理由が、この調査報告から見えて来る。
●「建設が計画された着陸帯 日本政府は、日本政府に返還される予定の沖縄の米国施設と地域にある既存の着陸帯に代えて、6つの着陸帯を建設中である。新しい着陸帯は、道路、フェンス、ゲートなどの付帯施設を含む。当初は、CH-53ヘリコプターのオペレーションをサポートすると考えられていたため、米・日政府は、MV-22のCALオペレーションを受け入れるために、計画に少しの修正が必要だと認めた。日本政府は、環境アセスメントを準備し(当時の那覇防衛施設局2011年)、予定地の整地、着陸帯建設、施設整備に伴う影響を取り扱ったが、現在行われている、あるいは提案されたオペレーション全般について、またとくにMV-22訓練については、評価しなかった。 建設計画中の6つの着陸帯は、既存の着陸帯と置き換えられる。すべて北部訓練場内にあり、着陸帯1、1A、2、2A、3、Firebase Jones と21が含まれる。このうち3つ、1と3とFirebase Jonesが、MV-22使用を提案されている。現時点で、既存の着陸帯と建設計画中の着陸帯との関連性は規定されていない。そのため、環境レビューは、既存の着陸帯での訓練を影響評価し、可能なかぎり情報を利用して、建設計画中の着陸帯について分析することとする。 北部訓練場の東部に位置する(図2-11)これらの建設計画中の着陸帯は直径約150フィート[45メートル]の円形の着陸地点を50フィートの無障害地帯が外周を囲むかたちである。併せると、計画中の着陸帯はそれぞれ、直径250フィート、1.1エーカーの整地された土地となる。これらの計画中の着陸帯はその規模から、複数機が同時着陸する使用としては想定されていない。」(2-25)
● 既存のLZの使用状況の表(2-29)
- rare= 14 回、average= 420回、 frequent= 1260回という具合に、平均使用回数を一律に指定している。
-回数については調査文献と、担当者へのインタビューに基づくということらしい(2-28、2-30)
●CH46の現状について
frequent はLZ17、18、FBJ、Baseball
averageはLZ1、4、13、14
rare は3、12、12A、15
→現在、使用しているヘリパッドの実態
●MV-22の訓練予定は
frequent= 1260回はLZ17 Firebase Jones
average=420回はLZ4、18、Baseball
のこりが14回と想定
→LZ 17、つまり予定地N4を重要視している、住宅から最も近いというのに計画が見直されないのは米軍の都合を優先しているということ。
●新設予定の着陸帯については、「LZ1、3、Firebase Jonesの代替となるだろうから」 average=420回を一律に当てはめている(2-31と32)。
1260+14+14=1288だが、分析のためには、各420回と想定したらしい。
●地形飛行(Terrain Flight) 地形や森林に沿って敵に捕捉されないよう地上50-200フィート(15-61メートル)を、80-120ノットで飛行する訓練
●TERF訓練の航路はひとつ(図2-12)、LZ17からLZ Firebase Jonesまでの13nm[1852m×13=約24km]
→いまやっている訓練の実態
●MV-22の操縦士はこの訓練をフライトシミュレーターで行う。しかし、TERF航路を使用する必要があるばあいも考えられ、それを年間25回と推計。
「MV-22操縦士は、概して、CH-46Eよりも高い高度を飛行する。MV-22飛行士の実際の低空飛行訓練は、主として着陸帯間の移動と、配置展開の際に実施される。提案されている行動では、残りのヘリコプター乗員は、TERF訓練を同じ頻度で継続する(年間1200回)。」(2-34)
→え、低空飛行訓練が、あたかも無いように見せかけている?
● ローターウォッシュ(ホバリング時のローターが生む下降気流とそこから派生する横風)について(4-20)
●熱による火災の件(4-31)
●生態環境について(4-32から)
●添付資料D→2011年に沖縄の契約業者によって、35カ所の着陸帯の環境調査が行われている。(表4.1.7-1参照)
うち、北部訓練場について実施されたのは、LZ1, 3, Firebase Jonesの3カ所のみ。
「ノグチゲラは古木の洞(うろ)に住んでるので、ローターによる気流の影響を受けない」とか、なかなかすごいことが書いてあって、環境の影響を受ける判定から、次々と除外されていく様子が活き活きと描かれていますが、今日はもう眠いので、後日追記します。