私たち沖縄に生きる者は、日米安保によってこそ、私たちの安全を奪われている。このとき私たちは、国防というビジョンが、「国民」を守るという目的を持っていない事実に立ち返り、「国防」からこそ私たち自身を守らなくてはならない。
私たちは、私たちを蹂躙する日米合意を解体していく方法を、私たち自身の抵抗において習得している。その方法とは、留保なき拒否である。たとえば、辺野古や高江での反基地運動において、洗練された拒否の作法が生み出され続けていることは周知の通りである。
ここで確認すべきことは、オスプレイが、私たちの安全を保障するために配備されるのではないという端的な事実である。逆に、この配備によって、私たちの生存は深刻な危機にさらされる。この危機に拒否を突きつけることになんのためらいもいらない。この拒否を通じてこそ、私たちは、私たちが共に生きていくことを、私たち自身に約束していくことが可能となる。
----新城郁夫「『留保なき拒否』を」『沖縄タイムス』2012年9月21日。