崎山多美『月や、あらん』なんよう文庫2012年。
ちょっとした偶然で、世界でもきっと何本指に入るかの早さで、この美しい本を手にすることが出来ました。崎山多美さんの小説はいつも、声になって自分のなかに浸ってくるような気がします。読むというよりも聴く。声は、まだ出逢ったことがないのに懐かしい。
「まだ寒いというほどにはならない十月中旬の夜・・・」
ほら。聞こえてきた。誰にも邪魔されない夜半にゆっくりとページを開いて、あの声に再会することにします。
群島舎の手になる編集、装丁に山城見信さんの画。BOOKS Mangrooveにて求められたし!