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20140826

ジョン・ミッチェルの辺野古集会取材@Japan Times

「辺野古基地建設の現場を数千人が行進」
ジョン・ミッチェル
(ジャパンタイムス特別寄稿 )
原文はこちら
Jon Mitchell, "Thousands march on Henoko base site,” The Japan Times [online], August 23, 2014.

 沖縄県名護市---3500人を超えるデモ参加者たちが、沖縄県名護市の米海兵隊キャンプ・シュワブに向かって行進した。この土曜日は、過密な宜野湾市にある海兵隊普天間飛行場の移設先として辺野古沿岸に建設される新しい米軍基地に抗議し、怒りを表明する最大規模の結集を記した。 

 歩道は700メートルにわたって人々が4列に並び、土手にも沢山の人びとが集まり、午前からの集会の後、抗議者たちは「建設反対」「海を守ろう」とシュプレヒコールを上げた。遠く北海道から駆け付けた人の姿もあり、また子供連れの参加者も多かった。

  沖縄の国会議員や平和運動の先頭に立ってきたリーダーたちの熱の籠もった抗議のスピーチは、かれらに言わせれば日本は安倍晋三首相によって再び軍事主義化しており、また沖縄に対する認識型の差別(*1)差別であると認識して、これを激しく非難した。
 (*1)「認識型差別」the perceived discrimination:イギリスの平等法において類型化が定義されている差別のうち、「保護の対象である」と認識されることによって受ける差別のことを指している(と、思います・・・要確認)確認しました。深読みし過ぎたみたい・・・訂正します。

  集まった人々から最大級の歓待を受けたのは、反基地を掲げ、反軍事主義を強く打ち出して今年1月の選挙で再選を果たした名護市長の稲嶺進だった。この工事で危機に晒されている絶滅危惧種の海洋哺乳動物ジュゴンが色とりどりにあしらわれたマントを身に着けて、彼はまずうちなーぐちで群衆に向けて挨拶した。
  稲嶺は、現在の状況を住民の四分の一以上が命を落とした第二次大戦時の沖縄に例えつつ、今日この島は米軍ではなく、日本政府によって攻撃を受けていると言い、「辺野古の海を守るために、みんなで力を合わせることが必要です。それが出来るのは私たち、うんじゅなーたー(皆さんたち)です。頑張りましょうね」と語りかけた。

  デモの規模から察するに、11月に行われる沖縄県知事選挙の前に基地建設着工を強行したいという安倍の目論見は困難に直面するだろう。昨年、自身の公約をひっくり返して工事を容認した現職候補の仲井真弘多は、実権を握った約8年間の後に落選するだろうと見られている。政府はこの知事交代を恐れ、日米が合意した1996年以来の長きにわたって停滞した基地建設に決着を付けようとしている。
  知事選に向けたカウントダウンが始まり、日本政府は一刻も早い調査段階の完了を目指して焦っている。海域一帯に100隻以上[の警戒船]を配備して、抗議行動の人びとが海に出るのを阻止している。8月14日には工事予定海域をブイで囲い、2キロメートルもの進入禁止海域を出現させた。そして日本政府は先週から海底の掘削に着手し、予定されている16箇所のうち2箇所でボーリングが実施された。湾に投入される2100万立方メートルもの埋立に耐え得るのか調査するのが目的である。

  このような動きは、かえって抗議する人びとの決意を強固にした。
  辺野古の平和運動のリーダーのひとり、安次富浩は、工事に対する非暴力の抵抗はこの先ますます盛り上がるだろうと語った。「安倍政権はさらに強い圧力をかけ続けるだろう。だが私たちは諦めない」。安次富は金曜日、本紙『ジャパン・タイムス』に対してこのように語った。「世界は沖縄の苦しみを知るべきです。第二次大戦の時も、現在もです。私たちはアジアの平和を求めています。だからこの島に軍事基地は必要ないのです」。 
 沢山の地元住民がキャンプ・シュワブのゲート前に新たな座り込みテントを設営した。8月19日には、基地に入る建築資材の搬入を追い返すことに成功し、当局との闘いで一つの勝利を獲得した。その間も、カヌー隊は毎日海へ漕ぎ出して建設に抗議をしている。これまでに10名以上が当局に拘束されたが、起訴されることもなくただ解放されている。
  金曜日には、カヌー隊のI.Kが、海上保安庁によって強硬的にカヌーから引き上げられた際に頸椎を痛めた。「マスコミが見ていないと海保は暴力的になります。公務員にあるまじきふるまいでしょう」と彼は言っている。「でも私たちは諦めません。怪我が治ったら私はまた海に戻ります」。 

 平和的な抗議活動に対するこのような海保の動員は、多くの沖縄の人びとの怒りに火を付けている。金曜日には議員のグループが建設予定海域をボートで視察していた。湾のサンゴ礁やジュゴンの喰み跡を観察するかれらは、ぞんざいな態度で退去を命じられた。沖縄県議会の米軍基地問題特別委員会委員長である新垣清涼や、県議の山内末子らは、拡声器を使って、警備にあたる職員に声を掛け、当然に守られるべき日本国民よりも米軍の利益を優先するかれらの態度を批判した。

  米国政府は近頃、この準備段階について、重要な途を拓くものであり、沖縄の基地負担軽減と、地域の永続的安定を確実にするだろうとの評価をした。
  替わりの基地が使用開始になれば、米国は米海兵隊の訓練を辺野古へ移し、最終的には普天間基地を閉鎖する計画だ。

  8月20日、沖縄選出の参議院議員、糸数慶子がジュネーヴの国連特別委員会で安倍政権を批判し、これは人種差別であるとの訴えを行った。彼女は委員会に対して、辺野古の基地、やんばるのジャングルでのオスプレイ着陸帯建設の中止を求め、日本政府は沖縄を差別しその人権を無視しているのだと主張した。

(翻訳:合意してないプロジェクト)