セサル・チャベスが指導者となった農場労働者組合、1965年カリフォルニア州デラノのぶどう農場労働者ストライキの50年を記念する年に、人種を越えたネットワーキングを重視し、実践してきたAPALAならではの反応ではないでしょうか。
この決議の白眉はふたつ。まず軍事同盟とTPPをしっかりと繋げて批判し得ているところにあります。そしてふたつめは、決議に「高江」の文字が入っていることです。だって、みんな高江のことも気にしているんだもんね。草の根がつながることの価値はこういうところにあると思うので、ここに紹介します。
【11月25日追記】
●APALAのサイトでこの決議がアップされました。
プレスリリースもついています。その末尾で報道記事の紹介が挙がっています。
●『琉球新報』の記事は英訳されていますので、アメリカの皆さんにも伝わりますね。
Sakae Toiyama, "All Okinawa Council delegation to US meets with citizens’ groups, conveys opposition to base construction," Ryukyu Shinpo, November 17, 2015.
(本家、元祖の日本語のほうはこちら。問山栄恵「基地反対民意訴え/島ぐるみ訪米団、市民団体と意見交換」『琉球新報』2015年11月17日。)
●The Nation紙の記事にもなっていました。
Tim Shorrock, "A Broad Coalition of Okinawans Says No to a New US Marine Corps Base," The Nation, November 24, 2015. ジョン・ミッチェルさんの軍事基地汚染の論文などにもリンクを貼りながら、今回の訪米団を丁寧に報道しているのが印象的。
●以下の決議文には、日付がなかったので、追加しました。
以上、追記しました。
APALA沖縄決議
アジア太平洋系アメリカ人労働者連盟(APALA)は、平和と正義に深く貢献し、「環太平洋パートナーシップ」(TPP)に反対しています。
沖縄の大多数の人びとは、沖縄、辺野古への米軍基地拡大要求に反対しています。
平和運動と労働運動の勇気ある活動家たちが、辺野古と高江で、1日24時・週7日間体制の長い月日に及ぶキャンプに取り組み、米軍基地の拡大に抗議しています。
日本の人びとは、再軍事化を図る安倍首相に反対し、大規模な抗議デモに至っています。
TPPは環太平洋地域の労働者に言いしれぬ苦痛を与える貿易協定であるうえに、太平洋に戦争と侵略を準備する軍事協定でもあるのです。
よって、私たちは次の通り決議します。
アジア太平洋系アメリカ人労働者連盟(APALA)は、沖縄の人びとに連帯し、辺野古と高江における新基地建設と、沖縄の米軍基地拡大に反対します。
APALAは、オバマ大統領と連邦議会の主要な議員に対し、沖縄の米軍基地拡大に抗議を表明する書簡を送ります。
APALAは、沖縄の人びとを支援し沖縄の米軍基地拡大に抗議する運動を奨励するよう、アメリカ労働運動の指導者たちに声を届けます。
2015年11月15日
APALA National Executive Board
(アジア太平洋系アメリカ人労働者連盟全国執行委員会)
RESOLUTION ON OKINAWA
November 15, 2015.
APALA National Executive Board
WHEREAS the Asian Pacific American Labor Alliance is deeply committed to peace and justice, and opposed to the Trans Pacific Partnership;
WHEREAS the vast majority of the people of Okinawa are opposed to the proposal to expand the U.S. military base in Henoko, Okinawa;
WHEREAS a group of courageous peace and labor activists have staffed encampments in Henoko and Takae 24 hours a day, seven days a week, for many months to protest U.S. military base expansion;
WHEREAS the people of Japan have staged massive demonstrations against Prime Minister Abe’s proposals to re-militarize Japan;
WHEREAS the TPP is both a corporate trade agreement which would cause untold suffering for workers in the Trans Pacific region, but also is a military agreement to prepare for war and aggression in the Pacific region;
THEREFORE BE IT RESOLVED that
The Asian Pacific American Labor Alliance stands in solidarity with the people of Okinawa in opposing the building of new bases at Henoko and Takae, and the expansion of current U.S. military bases in Okinawa;
APALA will write to President Barack Obama and key members of Congress to express our opposition to the expanded U.S. military base in Okinawa; and
APALA will reach out to leaders of the U.S. labor movement to encourage the U.S. labor movement to support the people of Okinawa and to oppose the expansion of U.S. military bases in Okinawa.