高江の論点をまとめます。公的な抗議の事実に続いて、騒音、低周波の問題について。
【まとめ】
●昼夜を問わない騒音、低周波の実態、オスプレイ配備以後の深刻化。
●住民と専門家の努力による測定で具体的に明らかに。
●行政当局は計器を設置しデータを集めているが、即座の対策なし。
●児童生徒が恐怖を感じ、睡眠妨害され学校に行けない事態がすでに発生。
ここでは、『琉球新報』に掲載された記事を追いながら、具体的・数値的な検証を取り出してまとめました。地元紙はタイムスも新報も、こうした重要な情報を報道しています。報道・公表された内容は、主張を裏付け、恐竜みたいに動きの鈍い政治を動かすグラスルーツの重要な素材です。集めて活かしましょう。
「高江 6月の夜間騒音24倍、383回に 1日当たりも8倍」
『琉球新報』2016年7月20日 05:03
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-319557.html
防衛局による高江区内の地点での計測結果から、オスプレイ配備後の激化を確認
▶夜間騒音発生回数(19時-7時)
2014年度平均 16.2回
2016年6月 383回
▶一日当たり騒音発生回数
2014年度平均 4.1回
2016年6月 32.8回
▶騒音測定値(エルデン)
2014年度年間平均 39.5dB
2016年6月平均 53.8dB
「高江で100デシベル級騒音 オスプレイ3機訓練時」
『琉球新報』2016年7月15日 05:00
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-316947.html
N4(先行提供のヘリパッド)付近での測定、オスプレイ複数機による被害の確認
▶2016年6月20日
22時08分、最大値 99.3dB
1時間での平均 80.9dB
▶2016年6月21日
20時51分、最大値 96.8dB
2時間20分間での平均 79.0dB
▶2016年7月23日(慰霊の日)
16時58分、最大値 93.4dB
5分間での平均 81.3dB
「77%「騒音気になる」 オスプレイ「怖い」38% 東村全小中調査」
『琉球新報』2016年7月15日 05:03
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-316944.html
東村内の全小中学生アンケート調査を実施。子供たちの教育環境への被害の実態。
「オスプレイの音が怖い・嫌な気持ちになる」が38%。
「学校で飛行機やヘリの騒音が気になったことがある」77%
「オスプレイの音を聞き分けられる」81%
「他の航空機よりオスプレイがうるさい」82%
自由記述「落ちてきそうで怖い」「うるさくて寝られない」「授業が中断される」「低空飛行が怖い」「夜の10時ごろ飛んでいてうるさい」「何機も飛んでいるときが怖い」「うるさくて授業に集中できないことがある」
「高江小中、オスプレイの低周波基準超 ヘリパッド運用が影響」
『琉球新報』2016年3月25日 05:03
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-245066.html
対策が進まない低周波についての実態、住民努力で具体的数値を明らかに
▶2015年12月7日(高江小中学校1階建て建物屋根、N4から1.7km)
周波数40Hzで音量92.9dB(防衛省設定値よりも+14.9)
50Hzで+4.1dB
63Hz +1.4dB
▶2015年2月25日(1階立て事務所屋根、N4から450m)
周波数20Hzで88.3dB(環境省設定値よりも、心理的+12.3、物理的+8.3)
※環境省の参照値は、「検討中」として基準値を設けていないため、低周波被害苦情に対処する基準とする閾値として挙げられているもの。20Hzで、心身に与える影響76dB、物理的影響80dBとしている。
http://www.env.go.jp/air/teishuha/tebiki/04.pdf
※防衛省設定「心理的影響」閾値(78dB)の典拠となるリンク、後ほど挙げます。
(参考)「低周波音 基準超え オスプレイ、国立高専裏離着陸 」
『琉球新報』2013年3月17日 10:32
http://ryukyushimpo.jp/news/prentry-204079.html
→名護市辺野古の高専でも、同様の騒音・低周波被害を確認している。
(参考)2010年、普天間爆音訴訟判決要旨
(日本環境法律家連盟 (JapanEnvironmental Lawyers Federation, JELF)さんサイトから)
http://www.jelf-justice.org/prefecture-map/documents/100729Futenma-highcourt-summary.pdf
→2010年に福岡高裁が低周波の心身被害との因果関係を認める判決。
(参考)「米軍機騒音に条例を 平和学会、琉大で取り組み報告」
『琉球新報』2013年10月21日 09:56
http://ryukyushimpo.jp/news/prentry-214116.html
→研究者・専門家らが、生活社会環境に積極的に関わっているというレポート。
英語訳アリ。
Peace Studies Association of Okinawa demands that U.S. government regulate military aircraft noise
October 21, 2013 Ryukyu Shimpo
http://english.ryukyushimpo.jp/2013/10/29/12067/