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20160729

高江ヘリパッド>北部訓練場に係る事件・事故のこと





北部訓練場と周辺における事件・事故等(-2016)
年月日 (年号) 概要
1964年8月26日 昭和39 新川(東村高江)の対ゲリラ訓練場で、海兵隊がワトソン高等弁務官らの観戦のもと「模擬ゲリラ戦」を展開。乳幼児、女性含む20人の新川区民が徴用され南ベトナム人の役を演じさせられた(知)。
1971年1月3日 昭和46 国頭村安田付近の伊部岳で実施が通告された実弾演習、村民の演習場内座り込み行動により阻止(タ)。
1973年8月2日 昭和48 CH-46ヘリが施設内の伊湯岳頂上付近で墜落。乗員3人死亡、1人行方不明。
1973年8月8日 昭和48 CH-46ヘリが安波海岸付近を飛行中、高圧線に接触して安波集落から300mの畑に緊急着陸。高圧線の破損により、国頭村全域が3時間にわたり停電。
1975年6月24日 昭和50 CH-46ヘリが飛行訓練中、安波ダム建設工事現場の工事資材運搬用ロープに接触、施設内に墜落炎上。乗員3人死亡。
1977年11月9日 昭和52 CH-46ヘリが北部訓練場向け飛行中、エンジン不調により、宜野座村漢那の民間牧草地に緊急着陸。
1980年2月27日 昭和55 米上院軍事委員会の証言で、海兵隊が北部訓練場での着弾区域の設定及び対戦車ミサイル(TOW)の実弾発射訓練の実施について日本と協議中であることが、3月26日に報道された。県は6月4日、強く反対し、日米両政府協議と別に、県と現地海兵隊で話し合い継続に合意(表外)。
1980年12月19日 昭和55 CH-46ヘリが通常訓練中、木材搬出用ワイヤーに接触、施設内の安波ダム貯水予定地域に墜落。乗員1人死亡、2人重傷。
1982年1月31日 昭和57 施設外の国頭村安波で、米兵が空砲を発砲。
1985年7月12日 昭和60 CH-53Dヘリが編隊飛行訓練中、1機が辺野喜ダム付近の林道に墜落炎上。乗員4人死亡。
1986年9月20日 昭和61 CH-46ヘリが点検のため、国頭村安田の農道に緊急着陸。
1987年1月16日 昭和62 国頭村安波ダム付近で、米軍が着手したハリアーパッド建設に村民が抗議、直接行動で阻止(タ)。
1987年5月16日 昭和62 CH-46ヘリが北部訓練場内で訓練飛行中、エンジン部分の故障のため、国頭村安田の農道に緊急着陸。
1987年7月11日 昭和62 AH-1J攻撃ヘリが飛行中、トランスミッションのオイル漏れのため、国頭村楚洲の牧草地に緊急着陸。
1987年9月21日 昭和62 北部訓練場上空で訓練中の海兵隊ヘリが、信号燈を誤って施設外に投下し、国頭村安田の沖縄県乳用牛育成センター内の原野部分約37平方メートルを焼失。
1988年6月4日 昭和63 東村高江の県道70号線に近い訓練場内で、待ち伏せ訓練中の海兵隊員が使用した催涙ガスが流出し、県道を通行中の民間車両の乗員2人が目や喉の痛みを訴えた。
1988年6月21日 昭和63 海兵隊は、22日までの2日間、福地ダム北側の入江で浮橋を使用した筏操作訓練を実施。8月、県はダム貯水池訓練の廃止を提案、米軍は「代替地が見つかるまでの間、北部ダムにおける訓練を中止する」と回答。(表外)
1988年10月31日 昭和63 CH-46ヘリ2機が、編隊飛行訓練中に衝突し、うち1機が伊湯岳東側の山林に墜落、炎上。乗員4人死亡。
1989年12月10日 平成元 提供施設外の辺野喜ダム上流付近で米軍が携帯食品を食べ散らかしたり、電池や注射器を放置していたことが判明。
1992年10月26日 平成4 信号弾による山林火災が発生し、1,132平方メートルを焼失。
1992年10月28日 平成4 山林火災が発生し、1,655平方メートルを焼失。
1999年4月19日 平成11 CH-53Eヘリが北部訓練場の沖合に墜落。乗員4人死亡。
1999年8月11日 平成11 UH-1Nヘリが、東村営グラウンドに緊急着陸。
2000年5月23日 平成12 海兵隊員が、提供施設外の東村高江の土地改良区に誤って進入し、ペイントボール模擬弾を発射。
2000年7月23日 平成12 海兵隊員が、提供施設外の東村高江の国有地で、誤って廃棄物を投棄。
2001年10月11日 平成13 韓国テグ基地所属MH-47型ヘリが、国頭村安田の沖縄県乳用牛育成センター敷地内の牧草地に緊急着陸。
2005年11月9日 平成17 嘉手納基地所属のHH-60ヘリが国頭村の海浜地に緊急着陸。
2007年1月5日 平成19 福地ダム湖面で、米軍のペイント弾1,500発が入った袋1袋が発見された。その後、同年3月までに、福地ダムや新川ダムで、米軍のペイント弾等が相次いで発見、回収された。
2010年12月23日 平成22 東村高江区で、市民団体のテントが、米軍ヘリと思われる風圧が原因で、足が曲がり、椅子や看板が飛ばされた。米軍側は事実を否定している。
2011年9月6日 平成23 米軍元高官の証言で、1960年から約2年間、北部訓練場内と周辺一帯で、実戦を想定した軍用枯れ葉剤の試験散布が行われたと報道された(タ)。米側は裏付ける記録が確認できないと回答(県)。
2013年10月29日 平成25 北部訓練場内のヘリパッド建設予定地に、米国製の仮設トイレ2基が投棄されていた(タ)。
2014年3月17日 平成26 沖縄で、北部訓練場での散布を含む軍用枯れ葉剤の輸送・使用に関与した米兵に、2013年3月に退役軍人省が補償金を認定していたと報道(JM) 。
2014年3月17日 平成26 提供前の着陸帯に海軍所属MH-60が着陸、米軍は「不注意」と回答。(タ)
2015年11月21日 平成27 ヘリパッドH地区予定地付近の農道で、米軍大型トラックを避けた地元住民の車が側溝に脱輪。6月17日、11月16日にも同農道で畑に乗り上げる、植栽を踏み倒すなど被害があったことが判明(新)。
典拠については以下の通り。
①特記ない場合、または(県)と略記したものは沖縄県知事公室『沖縄の米軍基地』「第8章基地の概要、第1節海兵隊」から転記。事故機が米海兵隊普天間飛行場所属の場合は省略。事故一覧以外の記述から転記したばあい(表外)と記載。
②『沖縄タイムス』(タ)と略記。『琉球新報』(新)と略記。
③ジョン・ミッチェル「沖縄の枯れ葉剤」サイトhttp://www.jonmitchellinjapan.com/agent-orange-on-okinawa.html (JM)と略記。
④知念忠二『大河の流れと共に』あけぼの出版2008年。


 沖縄県の作成している統計記録や、その他の記録から、北部訓練場に係る事故、関連する事象について挙げました。高江に的を絞って考えたいので、北部訓練場に関連するところを取り出しています。(ブログに表を入れると、何と見にくいものが出来上がってしまったことか!後日、改定を試みます。表のみPDFにしたもの、ここに仮置きます

 「事故」は沖縄県が調査・公表しています。沖縄県公式HP>基地>統計データ・その他刊行物等>基地問題に関する刊行物>とたどっていけば見ることが出来ます。この資料のなかで一覧表になったもの以外にも、県の特記した事項についても、表の中に組み入れました。さらに、県の報告書には記載されていないもの(1972年以前と、2010年以後)も加えた内容です。
 「訓練場と隣り合わせの暮らしは、これまでも危険に晒されてきた。オスプレイの訓練が追加され、施設が集約され、訓練が激化すればなおさら。もうこれ以上は許さない」という住民の意見がごく真っ当であることを具体的に示す資料です。
 想像すべきは、この表に出てこないもの、つまり「事件」として見なされない数多くのトラブルです。例えば、県道70号線を武装兵が隊列を組んで行軍し、新川ダムのキャンプ場併設の駐車場に軍用車両が集まり、安波ダムからすぐの道路で野戦訓練し、どんなに「怖い」と訴えても、事件として取り上げられてこなかったのです。
 北部訓練場の騒音被害も「事件」として個別に取り上げられず調査もなく、未だ県の資料に出て来ません。
▶「これが日本か 米兵が銃持ち県道を移動、沖縄・高江」『琉球新報』2016年7月27日 10:15。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-324192.html
▶本ブログ「高江ヘリパッド>騒音、低周波被害のこと」参照。

 もちろん、駐留米軍の全体像、海兵隊の全体像など、見方を工夫して他にも色んな角度から考えるべきことは言うまでもありません。伊江島や、キャンプ・シュワブからキャンプ・ハンセンへと連続する中部訓練場など「もうたくさん」という状態が理解できると思います。沖縄県議会は「沖縄からの海兵隊の撤退を」と決議しています。在沖海兵隊については、現在、重要な報道が始まっているので、別途まとめたいです(「<米軍北部訓練場>使えぬ土地返し、機能集約・強化と報告」『沖縄タイムス』2016年7月25日 11:03。)。

(出典)
沖縄県知事公室『沖縄の米軍基地』(2013年(平成25年)3月)「第8章基地の概要、第1節海兵隊」
http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/documents/1kaiheitai.pdf
(5年間隔で集成される『沖縄の米軍基地』の一部。このうち北部訓練場の箇所のみをここにおいておきます。)
沖縄県知事公室『沖縄の米軍基地と自衛隊(統計資料集)』28年度3月版。
http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/documents/h28toukei13.pdf
(事件事故の統計は毎年更新される統計資料集で補足することができます。)

(参考)
チョイさんの沖縄日記に、表に挙げた過去の事件事故について、当時の新聞記事を辿ったブログ投稿があります。新聞紙面から伝わるインパクトがあります。要チェックです。
http://blog.goo.ne.jp/chuy/e/c9778722fb100de5830f20c5f58f62b8