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20160720

非暴力直接行動のコツについて考えてみたメモ

 沖縄の地名も知らない都道府県警が、「検問」しているらしい。「冷静にね」との呼びかけ、とても大切なのでこちらにも紹介する。

●「仲間が来ますので、警察の嫌がらせにパニックにならないよう落ち着いて」
辺野古浜通信「高江で行われている福岡県警、北海道警等による検問について」2016年7月19日

●「むしろ、このタイミング、この場所で行っている検問は、客観的事情からして表現の自由や抵抗権の行使を萎縮させるとともに、その行使者が誰であるかに関する情報を収集するという、違法な目的で行われている、と見るのが自然でしょう」
南山法律事務所コラム「高江の自動車検問について」2016年7月19日


これを読みながら、「非暴力直接行動」には、こうした自主的な動きがつくる力が欠かせないなと思った。パニックこそは当局が歓迎する状態だろう。そして、「大衆」はすぐパニックに陥ると見るのが、警察権力を行使したくてたまらない「当局」の思い込みだ。

 非暴力直接行動は、命令や号令で統制されなくても、パニックを招かない。パニックを利用しない。警察や軍隊の方法とはまるで違う世界なのだ!

 と、威勢良く言ってみたものの、さて。英語文化圏はマニュアルとかガイドラインが好まれるので、"Non Violent Direct Action"とかキーワード検索すると、長大なマニュアルがネットに沢山溢れていました。これをそのまま教科書みたいに学習するのは、まったく高江の空気にピタッと来ない。

 そもそも、今、まさに局面を迎えている現場で「学習会」という温度ではない。

 それでも、なにか手がかりがあれば、もっと沢山の人たちが、この非暴力のための連携に加われるのではないか、と思った。動きながらコツを得て、次につなげる、高江らしい非暴力直接行動。上からの決定・命令を待つのではない、グラスルーツな動きが、全体を動かすようになるには、どんな工夫が必要だろうか。ということで、高江で実践できそうな、非暴力直接行動のコツについて考えてみたメモ。

●コレクティブ:集まる、共にある「ピープル」の行動が力になる
−その場の即興グループをつくろう。例えば一日単位で、たまたま一緒になった人たちがチームを作って、どんな動きをするか意見交換しておこう。
−即興グループは、別に誰に指示されなくとも生まれるその場のノリ、なのだ。バラバラの個人参加が、当局の圧力の前でバラバラにされない工夫になるだろう。
−たった一人で行動せざるを得ないときでも、支える仲間の存在を信じられる、これ大事。
−全体を調整している人たちと繋がる。電話・メール・ライン・クチコミ、何かしらの方法で繋がっている人がグループにひとりいるとOK。あるいはお隣グループとの連携で。正確で信頼できる情報は、不安を取り除き、大らかな気持ちでいられる。
−予め、当局がどんな風に迫ってくるか想定し、想定問答などしてみる。シチュエーションを演じておくと、ちょっとバカバカしい気持ちになるが、これが案外、現実に直面したときに客観的・冷静になれるコツでもある。試してみて損はない。
−「非暴力」とは具体的にどういうことか、何をすることか、何をしないことか。この小さな即興グループで話してみる。
−終わったらすぐに解散してよいのが即興のよいところ。翌日、グループが入れ替われば、経験を共有して次に活かせる。こんなグループが毎日あちこちで生まれていくのが、いいんじゃないだろうか?

●調整役:統括、指揮よりも調整を。
−集まった小さなグループの自由で自主的な動きには、全体を見渡しながら行動を調整する聞き役・相談役の存在が重要。地の利のある人、機動力を持っている人、大きな組織と繋がっている人は、最前線でガンガン行動できる人でもあるが、調整役に徹する日もつくって見よう。
−グループに情報提供し、今、全体ではどんな行動が求められているか、アイディアを提案し、協力を求めよう。
−調整役がグループの間を廻る血液循環の役割を果たしていれば、現場が拡散しても何の不安もない。信頼の基盤が出来る。

●リーガル窓口
−大きな組織、力のある組織は法律対策・救援担当、リーガル班を設置しよう。有象無象の小さなグループへも電話など連絡先が行き渡る工夫を。

●自分たちのメディア
−弾圧の現場を記録し、私たちの正当性を支えるメディアの存在は力になる。
−テクニックや機材(大袈裟でなくとも)の条件など、「自分たちのメディア」役に向いている人は、積極的にこの役割を担って欲しい。
−当局の盗撮する目ではなく、参加者がのびのびと行動するための見守る目になろう。
−どのカメラが「自分たちのメディア」なのか、判る工夫があるといいね!

●話し合う
−全体から最小グループまで、とにかく話し合うことがキモ。
−話し合うと時間がかかる。それでも話し合う。
−話し合いを短時間でまとめるよう、参加者同士が協力することがカギとなる。
−話し合いの時間は、上意下達、重要人物のスピーチの時間ではない。心ゆくまで語らう時間ではない。具体的な行動についての話し合いと確認に徹するよう、心得てみる。

取りあえず、今日はここまで。
みんな、明日も大いにやろうではないか!

参考:UK Feminista, “Action Toolkit”
http://ukfeminista.org.uk/wp-content/uploads/2012/03/NVDA-guide.pdf