北谷町の事件を忘れない、有志の12人の行動が、タイムスで報道されていました。「私たちは沈黙しない」ということばが見出しで取り上げられています。
「私たちは沈黙しない」米兵が元交際相手を殺害、自殺して2年 有志12人が沖縄で追悼集会『沖縄タイムス』2021年4月13日。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/737076
黙らない。何を?
集まった皆さんの手元のメッセージボードに見えるのは「あなたを忘れない」ということばです。セクシュアリティと権利の格差が交錯する場所は、軍事主義による暴力の場所であり、沖縄はその犠牲を強いられてきた無数の「あなた」への呼びかけが折り重なっている土地でしょう。
パフォーマンス・アーティストのイトー・ターリさんには、このことば、「あなたを忘れない」をタイトルにした演目があります。そのことについて書いたターリさんのエッセイを見つけたのでここに引用します(全文は以下で読んで下さい。イトー・ターリ「「政治的」なパフォーマンス・アートの実践」『artissue』http://www.d-1986.com/artissue/webcontents_seiji_01.html)。
なぜ、ペ・ポンギさんが祖国を離れ沖縄に住み続けたのか、なぜ、沖縄の女性たちが米兵にレイプされなければならないのかを考えました。個人の身の上に起きた忌まわしいことは国が引き起こしたことです。どちらも軍事下における性暴力です。
あったにもかかわらずなかったことにしてきた為政者はその実態を明らかにする動きを忌み嫌います。
「あなたを忘れない」ということばを黙らないこと、そのちからに触れていると思いました。ターリさんの「あなたを忘れない」を含むパフォーマンスはIPAMIAというアーカイヴ活動のサイトから視聴できます。